サンクコスト(埋没費用)とは?サンクコストやサンクコスト効果に惑わされないために

サンクコストとは、すでに支払ってしまってどうやっても回収ができない費用のことです。

例えば、投資をして工場を建てて操業を始めたが、うまくいかず撤退・廃業しようとしたときに、どのような手段を取っても回収できない金額などを指します。

サンクコスト効果とは、すでに使った費用やお金や労力、時間の投資に対して「もったいない」という心理が働き、今後のコストがメリットを上回っても、合理的な判断ができなくなってしまう現象のことです。

そこで今回は、サンクコスト、サンクコスト効果について徹底解説いたします。

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目次

サンクコストとは?

サンクコスト(sunk costs)とは、日本語で「埋没費用」や「過去コスト」とも呼ばれる、将来的に回収できる見込みのないコストのことを指します。

サンクは英語で “Sunk”、Sinkの過去形で、「沈んだ」という意味です。直訳すると「沈んだ費用」という意味になりますね。

オフィスの賃貸料、投資して失敗した場合の投資費用など、どうやっても回収することができないので、これらはサンクコストと呼ばれます。

サンクコストの例

ここではサンクコストの例をご紹介いたします。より理解が深まるでしょう。

マーケティングにおけるサンクコスト|サンクコストの例

マーケティングでは、自社メディアなどの運営費や広告費がサンクコストです。

メディアの運営費やマーケティングやブランディングに使った費用、宣伝費用などは事業を進めていく上で必要な費用ですが、その効果があってもなくても使った費用は返ってこないので、サンクコストとなります。

研究開発におけるサンクコスト|サンクコストの例

スタートアップや企業、大学など研究開発をしているところが多いですが、研究開発したものを世の中に公開したり、サービスをリリースしたりしなければ、これらに当てた時間や費用は返ってこないので、サンクコストとなります。

弊社(株式会社シュタインズ)も独自サービスである「Sket」の開発をしていますが、これも公開しなければサンクコストとなってしまうのです。

社内研修におけるサンクコスト|サンクコストの例

社内研修や新人研修、あるいは人材育成を行う会社もありますが、育成した人材あるいはスキルが会社に活用されなければ、その研修に使ったコストはサンクコストになります。

サンクコスト効果とは

サンクコスト自体は事業をする上で必要要素です。それ自体は問題ではありません。

しかし問題なのは、サンクコストを支払ったことに引っ張られてしまうと落とし穴にはまってしまいます。

行動経済学や心理学的に、サンクコストを支払ったことで「もったいない」という心理が働き、デメリットしかないのにも関わらず、それを取り戻そうとしてしまう非合理的判断を「サンクコスト効果」と呼びます。

例えば、広告費自体は、回収できないサンクコストですが、その広告に効果がないにもかかわらず、出稿し続けてしまう。なんてことあなたやあなたの身の回りでありませんか?

1976年 1月、超音速ジェット機コンコルドがついに旅客便の初飛行を果たしました。しかしその背後には、英仏両政府による28 億ドル (約 3,000 億円) という巨額の出資がありました。その時点ですでに、この飛行機は採算が取れないことが明らかになっていましたが、投資家たちはさらに 27年にわたってこの破綻したプロジェクトにお金を注ぎ込み続けたのです。

出典:サンクコスト効果に惑わされない判断をするには

人は多大な投資を行うと、失敗が明らかな事業でも継続してしまうようです。

マーケティングを実行する上で、サンクコスト効果が起きる人の心理や行動原理を理解することは重要です。

サンクコスト効果は認知バイアス|カーネマンとサンクコスト効果

サンクコスト効果は一種の認知バイアスです。情報を誤って解釈し、意思決定に影響を与えてしまう思考のエラーです。

2002年、カーネマンは、サンクコスト効果をはじめとした、ビジネス上の意思決定における認知バイアスの研究によってノーベル経済学賞を受賞しています。

サンクコスト効果が起きる心理

サンクコスト効果が起きる心理学的要因には、

損失回避
フレーミング効果
非現実的楽観主義
自己責任の意識
無駄にしたくない・思われたくない心理

など、行動経済学者たちは少なくとも 5 つを挙げています。

損失回避|サンクコスト効果の例

損失回避とは、損失を避けようとする傾向のことです。

これは、何かを失うと考えると、同じものを得ると考えるよりも強い心理的影響を受けるために起こります。
行動経済学では、人が10万円もらう喜びよりも、10万円失う悲しさのほうが上回ると言われています。そのため、「損をしたくない」という気持ちから、サンクコスト効果が発生します。

その結果、私たちはなんとかして10 万円を失うことを回避しようとします。面白いのが、たとえば新たに10万円を手に入れるチャンスを犠牲にする場合でも、多くの場合、人は10万円を回避する選択を取りがちです。サンクコスト効果でいえば、損失を被って嫌な思いをしたくない一心で無駄な投資にこだわり続けることが、損失回避の心理です。

フレーミング効果|サンクコスト効果の例

フレーミング効果とは、論理的には全く同じ内容であっても、その表現の仕方によって受け取り方が異なる現象を指します。

例えば、医者が「手術で成功する確率は90%です」と言うパターンと「手術で失敗する確率は10%です」と言うのでは印象が変わりますよね。

私たちがある決断を継続する場合は、それがおおむね成功だというように、肯定的にフレーミングします。

しかし、上の例のようにプラスの側面で表現するかマイナスの側面で表現するかによって、結果が違うという現象が発生するのです。

非現実的な楽観主義|サンクコスト効果の例

非現実的な楽観主義は、「自分の判断は人と比べて失敗しないだろう」と思い込む心理傾向です。

サンクコスト効果においては、特に金銭を投資した場合、成功の確率を過大評価し、失敗の可能性を過小評価しやすいことに表れます。たとえば、新規事業に多額な投資を行った場合、現実がどうあれ、いつかうまくいくだろうと思い込みがちになります。

問題が発生していても「最終的にはうまくいくはず」という根拠のない思考が、サンクコスト効果につながってしまいます。

自己責任の意識|サンクコスト効果の例

自分が判断したコストに責任を感じている場合、サンクコスト効果の落とし穴にはまる確率が高まります。

他人のプロジェクトには「うまくいかないからやめよう」と言えますが、自分がやっているプロジェクトであれば「失敗できない」という自己責任の意識から、ずるずるとプロジェクトを続行していまいがちです。

サンクコスト効果は、プロジェクトの発案者や意思決定者などプロジェクトの成功に利害のある人にとって特に厄介な問題になります。

無駄にしたと思われたくない心理|サンクコスト効果の例

決断を下した本人は、お金を無駄にした罪悪感から、無意味な投資を続けてしまうことがあります。

たとえば、チケットを買って映画館に入ったものの、30分くらい経って面白くなくて飽きてきたとします。しかし、他の観客に自分がお金を無駄にしたと思われたくない、そして自分自身もお金を無駄にしたという嫌な気分を味わいたくない、という二つの理由から、つまらなくても頑張って観続けます。

これが無駄を避けようとする心理です。
チームにとって役に立たないソフトウェアツールを、購入したからといって使い続ける場合も同じです。投資を無駄にしたくないばかりに、ツールにこだわり続けるというわけです。

そのほかの身近の例としても、健康的になろうとジムに入会した場合も挙げられます。しかし、仕事が多忙だったり、自分に合っていなかったりして、ジムになかなか行けてない人がよくいますよね。

しかし、辞めてしまえばこれまでジムに支払ったお金が無駄になりますし、周囲から「お金を無駄にした」と思われるのも嫌だという心理が働きます。結果として「この先使わないかもしれない」とわかっていても、「いつか使うだろう」と退会しないままずるずると続けてしまうのです。

サンクコスト効果を対処するために

それでは、どのようにすれば、サンクコスト効果に陥らず、合理的な判断ができるのでしょうか。

サンクコスト効果を理解する|サンクコスト効果の回避法

サンクコスト効果を回避するために一番大切なことは「サンクコスト効果を理解する」ことです。

さまざまな心理が影響して自分が合理的な判断ができていない「可能性がある」ことが客観的に見れていれば、自分の判断に対して冷静になれるかもしれません。

「通わないジムを辞められないのは、もしかしてサンクコスト効果なのかもしれない」と気付ければ、おのずと合理的な判断ができるようになるでしょう。

データで判断する|サンクコスト効果の回避法

サンクコスト効果で合理的な判断をしていないのであれば、データを中心に物事を判断することで解決できるかもしれません。

感情などは一切いれずに、データだけを見て押し引きを決めるのもいいでしょう。

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